公開日:2023/03/15 最終更新日:2023/07/06
注文住宅を建築するには多額のお金と労力がいります。建築スケジュールの調整やローンを組むなど資金の確保は非常に重要なのでしっかりとおさえておくことが重要です。ここでは注文住宅ができるまでの流れ、注文住宅の建設中にやっておきたいこと、支払いスケジュールについて解説します。
注文住宅を建築するのにかかる時間は人それぞれです。半年も経たずに引き渡しをする方もいれば、10年以上かけて引き渡しをする方もいます。一般的な木造住宅は早ければ4か月ほどで建ってしまいますが、実はそれ以外のことに多くの時間がかかるのが注文住宅です。
建築の一般的な流れは、土地の購入、間取りなどのプラン、資金計画の作成、契約、着工、建築完了、引き渡しとなります。資金を自前で用意できるのであれば、ローンを組む必要はありませんが、ローンを組んで購入するのであれば、場合によっては土地購入の段階からローンの審査を申し込む必要があります。
ローンの審査には2種類あって、簡易審査の事前審査と実際に実行可能かを審査する本審査があります。事前審査は、簡単にいえば「自分がいくら借りられるのか」について金融機関に回答を求めるものです。
本審査は、純然なローン実行の可否を回答するものです。本審査の実行は、着工前に済ませる必要があるので、一般的には建築までのスケジュールと並行して実施されます。
注文住宅の建設中にやっておきたいことは、自分のスケジュールや考え方をもとに判断する必要があります。
まず、建築中の工事について説明するために近所への挨拶回りがあります。近年これをする方は減ってきており、建築会社だけですることも多いです。「まだ住み始めてもないのに、町内会への加入を求められた」「家族構成や勤務地などを細かく詮索された」などと言ったことも起こり得るので、注意は必要なことといえます。
地鎮祭もする方、しない方が分かれるものです。地鎮祭は工事の安全祈願なので、建築会社の方が主体です。「工事を安全にするのは当たり前。なぜそれを施主がお金を出してする必要があるのか」と考える方もいます。金額も数万円と高額なので、検討は必要でしょう。
上棟式というものもあります。かつては職人に食べ物や酒をふるまい、工事の安全祈願、職人と施主の親睦といった目的で行われましたが、近年は実施しない方も多いです。
これらが実施されなくなったのは、住宅建築の現場が昔と根本的に異なるものになっていることが原因です。かつて住宅の建築は職人が着工から完成まで関わり、機械もないため相当な時間と労力がかかり、高い技術も要求されました。
しかし現代の住宅は、あらかじめ工場でプレカットされた柱などを決まった手順ではめ込んでいく方式になっています。それゆえ、住宅の各部位で分業が大きく進み、職人が最後まで関わる機会は少なくなっています。
建築会社も自前で建築するところもありますが、作業自体は下請けに丸投げし、その下請けも基礎の職人、建て方の職人、内装、外装の職人などすべて違う会社が受け持つことも多いです。
それらの会社は別の現場も掛け持ちして商売しているので、一つの現場への思い入れはかつてのものに遠く及ばないのは想像に難くないでしょう。このような現状から地鎮祭や上棟式はやらないか簡略化する方が増えたのです。
建築途上を確認することはできるだけするようにしましょう。契約したらお任せという方もいますが、あまりおすすめできません。上記のような建築業界の現状から、職人は流れ作業で工事をしています。雑多な業者が入り乱れ、工期と職人の確保に追われて工事をしているので、何かしらの不具合や問題が起こり得ます。
施主が現場に入ったり、チェックしたりすることで現場に緊張感が生まれ、職人の作業の質が一定程度担保できる側面があります。完成したら見えないところもチェックできるので、現場に足を運んで損になることはないでしょう。
本審査を通過したらローンの実行になりますが多くの場合、一度に建築会社に対してローンの実行が行われることは稀です。多くは着工、上棟、完成の際に実行されます。これは、工事が途中でストップなどした時に施主、会社の「払い過ぎ」「もらい過ぎ」を防止する役割があります。
また、融資する銀行もしっかりと完成までたどり着くのかというのは確実ではないので、その保険という側面もあります。ローンが実行されなければそこから先の工事は進みませんので、ローンの実行日は頭に入れておき、確実に実行されているか確認することも重要になります。
注文住宅ができるまでの流れ、注文住宅の建設中にやっておきたいこと、支払いスケジュールについて解説しました。契約をして一段落と考えて、ローンや工事のことを後回しにしてしまう方もいますが、工事が始まってからが本番だということがわかりましたね。
建築、お金についてのスケジュールをしっかりと把握し、行き違いのないように備えるのが肝要になるので、覚えておきましょう。