公開日:2023/06/15 最終更新日:2023/07/06
注文住宅を建てる際に、希望をすべて伝えてしまい、高額な見積もりを見て驚いたという経験をした人もいるかと思います。予算オーバーのまま進めると資金面で厳しくなってしまうため、上手にコストダウンを図る必要があります。この記事では、注文住宅の予算オーバーの原因、コストダウンテクニック、コストを削る際の注意点について説明します。
注文住宅で予算オーバーになってしまう原因としては、「金銭感覚の麻痺」「何にどの程度の費用がかかるか理解していない」「建築費用以外にかかるコストを考慮しない」「想定している予算が少なすぎる」ことなどが考えられます。
注文住宅を選ぶ人は自分の理想の家を実現したいと考えている人が多いため、間取りや設備、デザインなどについて希望をあれこれ詰め込む傾向にあります。
住宅は非常に高額なので、数万~数十万円でも安く感じてしまい、次第に金銭感覚が麻痺し、予算オーバーすることになります。冷静に優先順位をつけて、本当に必要なものだけを採用するようにしましょう。
また、何にどの程度の費用がかかるのかを把握しないまま設計することはやめましょう。窓・床暖房・トイレ・フローリングなど、数や仕様によっては予想外に高額になることがあるので注意してください。
注文住宅を建てると、建築費用に加えて、庭・塀・エアコンなどの工事費や住宅ローン手数料・登記費用・税金などがかかります。これらは総費用の20~30%が目安とされていて、建築費が2,500万円だと仮定すれば、追加で1,000万円程度かかるということです。
トータルでいくらかかるのか把握したうえで、建物の予算を決める必要があります。
また、そもそも想定予算が少なすぎる場合は、どうしても予算オーバーしてしまう傾向にあります。予算内で建てられるローコスト住宅を検討したり、譲れないポイントはどこかを考え取捨選択したりすることが重要です。
予算オーバーを解決するためのコストダウンテクニックとして、「延床面積を減らす」「建物の形状をシンプルにする」「水回りをワンフロアに集める」「窓のサイズや数を抑える」「後付けできるものは入れない」などがあります。
注文住宅の建築費用は、坪単価に延床面積をかけたものが目安です。つまり延床面積が大きければ大きいほど、一般的に建築費用は高くなるため、延床面積を減らすことでコストダウンが見込めます。
また、凹凸がある家よりもシンプルな立方体の家の方が、資材や作業工程が減るため、コストを抑えられます。
たとえば、立方体で総2階建て、屋根は片流れや三角屋根にすると、工事費を節約できるうえ、将来的に発生するメンテナンスコストを減らすことにもつながります。間取りについても、できるだけシンプルにすることでドアやクロスなどのコストを減らせるでしょう。
キッチンやバスルーム、トイレなどの水回りをワンフロアに集めると、排水管が短くて済み、材料費や工事費を節約できます。窓の数やサイズを大きくすると、コストがアップするだけでなく、冷暖房効率が落ちて空調費が上がってしまいます。
そのうえ、メンテナンスが大変というデメリットもあるため、窓のサイズや数は慎重に決めるべきです。
また、さまざまなオプションに魅力を感じたとしても、意外と住んでみると使わなかったということもあるので、後付けできるものはとりあえず入れずにおくことをおすすめします。
たとえば、部屋に合わせてオーダーで造作家具取り付けてもらわずに、インテリアショップで売られている既製品を買ったり、ウッドデッキをDIYしたりしてもよいでしょう。
予算オーバーしたからといって、なんでもかんでもコストを削ってしまうと暮らしの快適さが失われてしまう可能性があります。削減しない方がよいものとしては、「断熱材」「耐震装置」「セキュリティ」「水回り」などがあります。
室内の温度を一定に保つことができる断熱材は、安価なものを使用すると夏は暑く、冬は寒くなってしまいます。結果として、光熱費が高くなってしまうので、断熱材にかかるコストは削らない方がよいでしょう。
地震が多い日本においては、家族の命を守るためにも耐震に関わる装置のコストは削減しないことをおすすめします。また、安心して暮らすためには自宅のセキュリティは非常に重要です。
防犯ガラスや面格子、テレビ付きインターフォンなどは設置を検討すべきでしょう。節水できる食器洗い乾燥機や保温効果の高いお風呂などは初期投資がかかるものの、長く使用すれば節約になるうえ、生活の質を上げてくれます。このような設備はできるだけコストダウンしないことをおすすめします。
この記事では、注文住宅の予算オーバーの原因、コストダウンテクニック、建築コストを削る際の注意点について詳しく説明しました。
注文住宅については予算オーバーすることが多いため、予算内に収まるようにこだわりに優先順位を付け、コストダウンを図る必要があります。プロである住宅メーカーの担当者に削減できる箇所についてアドバイスをもらうのもおすすめです。
一方で生活の質を下げないようにコストダウンすべきでない箇所もあるため、これから注文住宅の購入を検討している人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。