公開日:2023/07/15
内装はマイホームの印象を左右する重要な要素。しかし、コストを抑えるためにハウスメーカーのおすすめをそのまま採用した結果、「なんだか落ち着かない」「気に入らない」という残念な結果に終わってしまう可能性も。マイホームなのにくつろげない空間になってしまわないように、注文住宅の内装を決める際の手順や注意点について解説します。
マイホームの内装を決めるという作業は誰にとっても楽しく幸せな作業です。内装を自由に決められるのが魅力の注文住宅なので、細部までこだわって、好きなものを詰め込みたいものでしょう。
しかし、たくさん存在するインテリア・設備の候補中から、ジャンルごとに気に入ったものを選びだしていくと、北欧風の壁にカフェテイストの家具、照明は間接照明を取り入れた大人なムードにもかかわらず、カーテンやラグはスイートテイストというようなちぐはぐな組み合わせになってしまいます。
例外的に奇跡的なバランスで調和することもありますが、実際はそれぞれのアイテムの個性が主張し合った、統一感のない空間になってしまいがちです。
注文住宅の内装コーディネートが難しい理由は、決められる箇所が多くてデザインも色も豊富なところ。自由に決められるのが注文住宅のメリットであるはずなのに、選択肢が多すぎることで、逆に悩みの種になってしまうのです。
注文住宅で人気のある代表的な内装デザインには、木目と白を合わせたナチュラルなもの、白と黒のモノトーンでまとめたスタイリッシュなもの、シンプルでナチュラルな北欧テイストのもの、自然の温かみを感じてリラックスできるレトロなカントリースタイルなどが挙げられます。内装デザインを決める場合には、その部屋でどう過ごすことを目的としているかが重要です。
くつろぐことが目的ならば天然素材や落ち着いた色合いを取り入れたデザイン、仕事部屋であればモノトーンを基調とし色数を絞った集中しやすいデザイン、遊び心や感性に刺激を与えたいのであれば温かい色味を多く使ったデザイン、というように目的によって最適なデザインは異なります。
統一感のある内装にするためには、まず「全体のデザイン(テイスト)を決める」ことが大切です。部屋を構成するインテリア・設備の代表的なものとして、床・天井・壁・棚・テーブル・ソファ・カーテン・ラグなどが挙げられます。これらのアイテムが部屋を占める面積が大きいほど、部屋に与えるインパクトが大きいです。
部屋の統一感を出すためには、面積の大きいアイテムほど、あらかじめ「こうしたい」と決めたデザインに沿って選びましょう。前章で紹介したデザイン例にあるように「木のぬくもりと優しさが感じられるナチュラルデザイン」や「ホテルのような清潔感のあるテイスト」「日本の伝統美が感じられる和の雰囲気」のように内装のコンセプトの方向性を具体的に決めることが大切です。
全体のデザインが決まったら、次に使用する素材とカラーコーディネートを決めます。同じ天然木材を使ったナチュラルデザインでも、木の加工法や色合いによって「力強さ」「優しさ」「温かさ」「清潔感」など受ける印象が異なります。内装に使用する素材はひとつに絞りこんでも問題ありませんが、複数の材質を取り入れると、アクセントのある空間を演出できます。
配色は3色以内に抑えることで、部屋をすっきりとまとまるでしょう。3色の内訳としてメインの色味となるベースカラー70%、補色であるアソートカラー25%、アクセントカラー5%が黄金比といわれています。ベースカラーは床・壁・天井に、アソートカラーはカーテン・ソファ・テーブル・ラグなどに使いましょう。アクセントカラーはゴミ箱やクッションなど小物に取り入れることで、おしゃれでまとまったカラーコーディネートが実現できます。
デザインは明確にしたものの、どのような設備やカラーを組み合わせたら実現できるかわからない場合には、ハウスメーカーに相談するのがおすすめです。内装を決めるプロとイメージ共有することで、数多くの選択肢の中から、最善の提案が期待できます。
注文住宅の内装を決める際によくある失敗として、デザインを重視するあまり機能性が損なわれてしまうことが挙げられます。たとえば、収納が少なすぎて物が片づけられなかったり、コンセントの位置が不便で配線が邪魔になってしまったり、水回りの設備の使い勝手が悪く家事効率が落ちてしまうなどです。
機能性が悪いと、不便で住みにくい家になってしまいます。設備を決める際にも外観だけでなく、どのような性能があるのか、過不足はないかなどもしっかり検討することをおすすめしましょう。
注文住宅の内装の決め方の手順や注意点について解説しました。注文住宅は内装を自由に決められるのが魅力である一方、あまりにも決められる箇所が多すぎて、悩んでしまうという落とし穴があります。設備一つひとつから気に入ったものをチョイスすると、配置した際に統一感にかける空間になってしまうため、まずはどのような部屋にするかデザインコンセプトを決めることが大切です。
デザインが決まったら、面積の大きい設備から採用する素材と色を決めましょう。注文住宅の内装決めで、デザインを重視するあまり機能性を軽視し、住みにくい家になってしまうことがあるため、注意が必要です。